50代になって改めて考える。メンズファッションのこと
こんにちは。FUJITAと申します。半世紀生きて来て、まさかこんな時代、こんな生活環境になろうとは全く想像できませんでした。皆さんもそうですよね。
私は、先の見えないお休みに入り、一つには、自身の持っている昔の書籍を読み返すという時間を得ることができました。
本棚を眺めながら、思い考えたことが、ファッションのことでした。若い頃から、随分お洒落をし、雑誌や本も読み、興味があることの一つです。
50代になった今、私は? 同世代のみんなは? どんなカッコしてる? どうすれば50代としてカッコ良く見せられる? 50代として、仕事でもプライベートでも。
もう一度ルールを思い出し、きちんと綺麗な服装をする。そのことが、これからの人生をもっと楽しくしてくれるのでは、と思ったのです。
そして、同じ思いを抱いている人達が一緒に思い出して、共感してくれて、後輩や若い世代にも、メンズファッションのそれらを伝えていただけたら幸いです。
その昔みんなが通った。メンズファッションの学校と教科書
今から55年前の1965年、日本に於けるファッション文化は確立しておらず、当時の若者は何をどう着れば良いかなど全く考えず、ただ洋服を着ていただけでした。
そこで、故・石津謙介氏は自らが経営するファッションメーカーの「ヴァン・ヂャケット」(VAN) を学校にショップ店員を教員に例え、同じく当時自らが監修する婦人画報社の「メンズ・クラブ」を教科書に見立て当時の若者へ「服育」と言うべき服飾についての教育をしてくれた。
ご存じの人も多いとは思いますが、石津謙介氏=「VAN」は当時、アイビーファッションを日本で展開しそれ以降、ファッションは元よりスポーツ、音楽などを含め昭和の若者文化をすべて作り上げ発信してくれました。
まさに高度成長期の最中、経済とは別に日本の文化を発展させ、世界に通用する国になるまでの多大なる貢献をされました。
話はもとに戻りますが、当時の若者は「VAN」、「MEN’CLUB」を通してファッションの歴史やルール、TPOを学ぶことができました。そしてそれらは、薄れながらもギリギリ私たち世代までは、何とか一般的に受け継がれているように思えます。
薄れないうちに伝えていきたい。次世代のために
現代では、ファッションのことも全てインターネットが解決してくれます。買い物もできます。そこに問題が起きてきます。今後の社会では物販の店舗はどんどん少なくなっていくということです。
私たちは人から物を直接購入する機会が減ってくるということなのです。上で話したように教員でもあるショップ定員が居なくなるということに繋がります。優秀な学校や名門校、立派な教科書や参考書は沢山あっても教員が居ない状態です。
ネットで服を買い、コーディネートやブランドなど、知りたい情報はググればいい。しかし、興味がないことや気付かないことは永遠に知り得ません。学校教育には人間として必要な学問、知識を教員が教えます。教える人間が居なかったとしたら、何をどうしたらよいかわからず、一歩も前に進めなくなることでしょう。
さて、このような出来事が服飾(ファッション)に於いてはショップ定員が簡単に教えてくれたルールや情報、諸注意など知っていたほうがためになることが自然と入ってくる状況が一切なくなってしまうということなのです。
服飾は産業的に今の日本では完全に下位になってしまい。生活の中でそのことを良く知ろうが、知りまいが困ることがそうない世の中です。スマートフォンの操作が分からないことのほうが重要で恥ずかしいことになってしまっています。
ですが、今後日本のトップ産業で活躍していくエリートビジネスマンとして海外に進出しようとした時に服装のことは重要になります。その時、誰に教わるのでしょうか?完璧を求めるのならお金を払ってコンサルを受けることになりますが、2、3日で叩きこまれても欧米人のように身につくことはないのです。
欧米では子供の頃から家庭のなかで服装について正しく学びます。日本にはその習慣が全くありません。和装文化であった日本にとっては当たり前のことです。
それでも、第二次世界大戦前までは日本も英国にならった服装文化が定着するであろう手前であったことも事実です。その後、日本は敗退、皆が貧しい中で教育を受け、復興のために経済を再生する社会人になることが最優先であり、一般国民は服装のことなど二の次、三の次となって行ってしまったのです。
戦後、石津謙介氏のおかげで私たちは家庭でも学校でも教わらなかったファッションのことを知ることができたのだと思います。しかし、この先、ECが台頭し、ショップ定員が居なくなって行ったとき、教えてくれる人も居なくなるんだと思います。
勿論、ピンポイントで知りたい専門的な解説は以前より、諸先生方が記事にしていらっしゃいます。
ただ、私はショップ定員に成り代わり、その目線で、服飾についてもっと分かりやすくお伝えしていきます。そして、これらを読んでくれた皆さんたちが懐かしがりながら、後輩や若い世代に伝えて行って欲しいと思うのです。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
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