50代からのクールビズ「クールフィフティビズ」で失敗しないスタイリングの基本・後篇

「クールフィフティビズ」のスタイリングの基本をフィニッシュしましょう。

コーディネートから実際の着こなし、着飾ることをスタイリングと呼びます。50代からのクールビズの基本を覚えていただいてから、応用してくださいね。基本を理解しなければ正しい服装をすることができず何事においてもご自身の価値をさげてしまうことにもなりなす。

鏡に映った全体のスタイリング

ネイビーのジャケット白地に水色ストライプの長袖ボタンダウンシャツ(以後、BDシャツと省略します。)を着てミディアムグレーのスラックスを履いています。サイズも丁度良くフィット感も綺麗でスタイリッシュ(スマート)に見えていると思ってください。まずは、上半身から外見だけチェックしていきます。

 BDシャツの襟ボタンは必ず留めます。前身のボタンは第一ボタンだけ開けます。

 腕を下した時にジャケットの袖口からシャツの袖口が1~1.5㎝出いていることを確認します。個人差はありますが、シャツのサイズ選びとジャケットの袖丈の調整はこうした見え方になるためにすると考えて  ください。見え方としては清潔感を与えます。そして、その理由はシャツの袖口でジャケットの袖口が汚  れないように保護するためです。シャツは元々肌着とされており消耗品であり、洗濯もすぐにできます。  シャツの袖口(この部分をカフスと言います。)は普段はキチンと留めます。

 スラックスを見ていきます。丈の長さは、最近では一般的なスラックスやパンツは人体に沿わせた綺麗 なフィット感のあるものがほとんどで裾幅も狭くなっているので長くしても、くるぶしが隠れるところ位が下半身のスタイルが良く見えます。個人差がありますので全身も確認し、ジャケットの着丈とのバランスもあり大切です。スラックスの裾上げは比較的、再修理しやすいので後からも調整できます。実は丈の長さを合わせると同時に裾口の形状も種類がいくつかあります。今回はスラックスで革のシューズを合わせていきますので「ダブル」という折り返した裾口の形状にしました。ダブルにすることによって裾口に重みが出ていつもシルエットが綺麗に見えるからです。これは好みがありますのでシングル(ストレート)と言われる折り返しの無い形状でもOKです。

 さて、靴下も基本で選びます。スラックスの素材とシューズに合わせてドレスソックス(ビジネスソックス)にします。ドレスソックスとカジュアルソックスでは生地の厚さ、糸の太さが大きな違いです。靴下の色はビジネススタイルでは靴に合わせることが普通ですが、私はスラックスに合わせることをおススメします。スラックスと同じ色で合わせることによって足全体が長く見えるからです。そしてまずは無地を選びましょう。そうすることによってシューズの色やある程度のデザイン、どんなものでも合ってくるからです。

  

  ジャケットの袖口からは、1~1.5㎝シャツの袖口が見えるようにします。

ベルト&シューズはビジネススタイルの基本から

茶色のベルトと茶色のシューズにしました。素材は革を選びました。両方全く同じものにこしたことはありませんが、揃えるのが困難なので色だけは合わせるようにしましょう。スーツスタイルでは黒がほとんどだと思いますが茶色のほうが明るく見えて軽やかに映り、全体が季節感を捉えたスタイリングになります。シューズはローファーなどの紐無しや本来ドレッシーと言われるウイングチップなどツギハギ柄のシューズをデザインが綺麗なのであえて履くのも良いと思っています。また茶色にすることで、バッグも黒の革製品以外は何を持っていてもほとんどおかしくはないと言えるでしょう。

間違っても革素材の場合、黒ベルトに茶色の靴またはその逆は絶対にしてはいけません。上級者は「革物は全て色を合わせろ!」と言っています。ベルト、シューズ、バッグ、財布、カードケース、腕時計が革の場合これらの色だけは統一しています。各アイテムの価格的価値の表現ではなく、品格のあるスタイリングができる人が上級者と言えるのです。

 革物は色を合わせます。ドレスシューズのウイングチップですが、茶色ならスタイリングのアクセントになります。

ここまでで、外見からのスタイリングの基本は完璧です。カラーコーディネイトとしての【男の3原色:ネイビー、ブラウン、グレー】はしっかり守っています。もう一度、確認しましょう。

  • 【ネイビー系】ジャケット、白地に水色ストライプのBDシャツ
  • 【ブラウン系】ベルト、シューズ
  • 【グレー系】 スラックス、ソックス
  • (白は見えていても、調整色なので1色にカウントしないことにしています。)

頭の先からつま先までのスタイリングの場合、帽子、頭髪の色、眼鏡、もしくはサングラス、そして腕時計、これらも統一することによって品格が栄えます。

例えば【頭髪の黒色は1カウントとしてプラスします。】眼鏡の黒縁は【黒系】銀縁は【グレー系】金縁は【ブラウン系】と【男の3原色】に近い色相として分類することができます。腕時計も同じです。

そこで配色のバランスが少し変わりますが、ポイントは眼鏡も腕時計もシューズの色に合わせるとベルトの色も合わせるということになってくるので、人体の上部、中部、下部と均等に配色されバランスが取りやすくなります。

コーディネイトに使用する色は白以外に3色まで、これは今後厳守して行きましょう。

そしてスタイリングした場合、頭髪の黒が入ってきます。これで4色になります

「クールフィフティビズ」はアクセントアイテムでさらに差をつけます。

最後に+α、アクセントアイテムを使ってみましょう

特にオススメなのがポケットチーフです。スーツスタイルではネクタイと合わせることがポピュラーですが、「クールフィフティビズ」はシャツ本体の色もしくはシャツの柄に入っている色と合わせます

そうすることでチーフだけが浮いて見えず、自然な華やかさを与えます。素材はシルクやコットン、麻などで小さめが使いやすいと思います。入れ方は胸ポケットが膨らまないように、ポケットの幅に合わせて折ったり、無造作にしまったりして、1~1.5㎝の高さがのぞけばOKです。(正式な入れ方はまた別の機会にお話しします。)

日常あまりないTPOとして、集会やパーティー、初対面の待ち合わせなどの時、ポケットチーフはキーアイテムとして必要な場合があります。

イメージカラー、テーマカラー、目印などの必要性により、この時だけはコーディネイトの+αとして1色別に入って来ても「クールフィフティビズ」のスタイリングとしてはTPOに沿ったものであると考えてください。

ポケットチーフ自体使い慣れていないと照れ臭く感じてしまいます。無理はしないでください。また、お相手方によってはキザなことしてると思われるかもしれません。そこもTPOです。

逆に全く何も入れず、ネクタイもしていないので物足りなく思うけど合わせが難しいとお考えの方は、『白無地』のコットンか麻の小さめのものを使ってください。

麻のチーフというのは本来フォーマルでの礼装に使用しますが、折り方を変えて使用すれば素材感と清潔感があり、季節を捉えたかたちの表現としては有効です。

「クールフィフティビズ」スタイリングの基本、後編まで終了しました。よろしければ、今までの記事と合わせてお読みくださればもっとわかりやすいと思います。

ありがとうございました。次回は外見ではなくスタイリングの内面をお話します。

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FUJITA服飾相談員
50代の勤め人です。湘南と海と服飾のことが大好きです。横濱も好きで今は横濱に住んでいます。湘南洋品店は服飾に関する記事を提供しているネット上のお店です。私もSHOP店員のような感覚でお話しています。ここで読んでくださった情報は若い世代にも教えてあげてくださいね。