50代からのクールビズ「クールフィフティビズ」で失敗しないスタイリングの基本・前篇

各アイテムの自分サイズ選びとフィット感を確認しましょう。

コーディネイトしたジャケット、シャツ、パンツそれぞれは色を選ぶと同時に自分に合ったサイズとフィット感を確認しながら選んでいくことが重要です。それが一番失敗しないスタイリングになりますのでしっかり理解して「クールフィフティビズ」を一緒に頑張って行きましょう。

ジャケット(ブレザー)

色はネイビー(紺色)を選んでいただきました。次はサイズを選びます。まずは普段のサイズをベースにします。わかりやすいのは日本のメーカーさんのTシャツやセーターなどを普通に着る時のサイズ感覚でOKです。例えば、Mサイズだったとしましょう。

Mサイズはジャケットの場合、他の表記が同じです。日本JIS表示の【A5】、ヨーロッパ表記の【36】または【46】と表記されていることが多いです。海外ブランドや輸入品は同じ表記でも1つ下のサイズになると思ってください。

シルエットとかフォルムと言われる形は、ここ数年どこのメーカーさんもブランドも大体同じです。30年前と比べれば細身になっていて人体に沿わせた綺麗な形です。ファッション的に若者のカジュアルを中心に形はゆったりしたものも多く出ていますが「クールフィフティビズ」はスッキリ見せることがポイントです。

既製服が登場した1920年代以降メンズファッションは、約30年サイクルでデザインやシルエットが繰り返し変化していると言えます。

さて、実際に着用したとします。ポイントは3つあります。1つ目は、肩が落ちていないか。2つ目は着丈が長くないか。3つ目は前ボタンが自然に留められるか。着心地と一緒にこの3つのバランスを見たときに自分に一番良いものを選択します。

袖の長さは、一番個人差が出ます。短いより、長いことのほうが多いので3つのポイントをクリアした段階で修理をするかどうか判断します。手首のくるぶしが丁度隠れた長さ、ジャスト手首の長さをおススメします。

この4か所に納得したら改めて全体を見ます。テーラード型もアンコン型もサイズ感の選び方は、もちろん同じですが、着心地や見え方が変わります。また素材感によっても変わります。

顔の輪郭、眼鏡の有無、眼鏡の色、頭髪の色、ヘアスタイルなどの顔映りにも「クールフィフティビズ」は気を遣って行きましょう。

※この画像は体格に合ったスタイルの参考になります。
  • 着用時、肩が窮屈に感じず、見た目肩が二の腕より横に出っ張らない。
  • 着丈はお尻が隠れるか隠れないか位。丈が長いと足が短く見えます。お尻が出ると綺麗ではありません。
  • 前ボタンの上のボタンが、リラックスした状態で自然に留まる。人体に沿わせた綺麗なシルエットを壊さないように、きつくても、ゆるすぎても良くありません。
  • 袖丈の修理は、基本的に縫いしろをあまり取っておらず、伸ばすことが不利です。そのため既製品として袖丈は、元々長めに作られています。したがって、袖を短くする修理は普通の事です。

日本のメーカーさんでは、体格が横に大きい人にも対応するMサイズ(普通サイズの例として)があります。【BM】や【AB5】、更に横に大きい【BB5】と表記されており、Mサイズに比べ簡単には、縦の寸法は変わらず横の寸法だけ大きくしたサイズ感となっています。ちなみに輸入品にはないので注意してくださいね。

シャツ

今回は、ボタンダウンの白地に水色のストライプを選んでいただきました。こちらも普段のサイズで大丈夫です。実はシャツにも日本特有のサイズがあります。Mサイズで例を見ていきます。

シャツのサイズは襟首回りと袖の長さがメインになります。Mサイズで言うと襟首回りは39㎝、袖の長さ82㎝が平均のものです。さらに、Yシャツのサイズとして【39-82】と表記されたものも見たことがあると思います。厳密にこれは、第一ボタンを掛けた内側の首回りと裄丈(ゆきたけ)という肩幅÷2+袖の長さの寸法が表記されているサイズだと理解してください。

シャツの場合試着がNGな時があります。自分サイズは必ず覚えましょう。さて、【39-82】サイズですがこれは基本的にシャツの仕上がり寸法です。これらの既成シャツの寸法から自分の実際の【首回りと裄丈】の寸法に合ったものを選択するということがサイズ選びにもなります。(オーダーメイドの場合は自分の寸法に合わせて作るという逆の発想となります。)

自分の【首回りと裄丈】は一度測ってもらうことをおススメします。首回りはのどぼとけを起点に首の角度と平行にメジャーを一周させて測ります。(これをヌード寸法と言います。仮に37.5㎝だったとします。)

裄丈は首の後ろの付け根にコブがあります。そこを起点にメジャーをあて、肩方向に進みます。肩から腕にメジャーを下ろそうとしたときに肩の山部分の一番高い位置を通り、そのまま下ろして手首を通過して、手首と親指の付け根の間の真ん中で止めます。そこまでの距離が自分の裄丈のヌード寸法だと思ってください。(仮に81㎝だったとします。)

自分のヌード寸法は【37.5-81】でした。これに対して一番適したサイズは通常【39-82】をおススメされます。その適応範囲はあくまでも目安として首回りで【ヌード寸法+1.5~2㎝】裄丈は【ヌード寸法+0~1㎝】だと理解してください。

シャツは洗濯すると若干、縮がでます。その分を考慮して適応範囲を厳守することが失敗しないサイズ選びとなります。

シャツにもバスト、ウエスト、ヒップ、オーダーメイドの場合寸法は勿論必要ですが、既製品はサイズだけ確認できれば、スリムとかルーズとか体格によって分かれているので選ぶのも簡単です。

半袖シャツを選択する場合は、首回りのサイズとシルエットの確認だけでOKです。+α半袖シャツのカッコ良いデザインとは、半袖口の外側にも折り返して縫ってあるもので、袖口幅も二の腕の出方に合わせ少し細くなっています。シャツは畳んであるものが多いので広げて確認しましょう。

パンツ(スラックス)

どんな色柄にでも合わせることのできるミディアムグレーのスラックス。しっかりとアイロンの掛かるウール素材のものを選んでいただきました。

続いてサイズ選びです。通常はウエスト寸法がそのままサイズ表記されているものがほとんどですが、中にはSML表記だったりヨーロッパ表記だったりするものもあります。「ウエスト寸法表記サイズ」で展開しているものも製造されているサイズが決まっています。

一般的に73㎝、76、79、82、85、88、91、94、97㎝と3㎝刻みでの用意が通常です。したがって、シルエットの美しさを優先したときにウエストを拡げたり、狭くしたり修理をすることも少なくありません。

次のポイントはシルエットと裾幅(すそはば)です。ジャケットと同じく人体に沿わせた綺麗なシルエットが一番です。人体は、太ももより足首の方が細いですよね。今の時代、これが自然です。

また、ヒップや太ももがガッチリされている人はタックもしくはプリーツと呼ばれるヒダが前に縫われているものも良いでしょう。

丈の長さも無理に長くすることはNGです。流行りとしては短めですが目安として、くるぶしが隠れる長さまでで十分です。自分で丈を確認する時は足元だけを見るのではなく、全身と体格のバランスを見るようにしましょう。

綿パンツの場合、サイズ表記がS(74~78㎝)、M(78~82㎝)、L(82~86㎝)、LL(86~90㎝)などの展開もあります。

次回、スタイリングをフィニッシュしましょう。

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FUJITA服飾相談員
50代の勤め人です。湘南と海と服飾のことが大好きです。横濱も好きで今は横濱に住んでいます。湘南洋品店は服飾に関する記事を提供しているネット上のお店です。私もSHOP店員のような感覚でお話しています。ここで読んでくださった情報は若い世代にも教えてあげてくださいね。